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【引っ越しなので手放す本レビュー】8冊目「告白/湊かなえ」

告白/湊かなえ

★×8

やっぱりこうやって読み終わった小説を振り返ると、明らかに湊かなえの小説は抜群に
「文学」していて、読んでおくべき本のなかの一冊だと思ったよ。
重みが違うよね。
人間のヤバイところが全部書かれている気がする。
これが映画で例えるなら「家族ゲーム」のような仕上がりになったと思う。
(映画の「告白」はまだ見てない。今度見る。)

本屋大賞の面目躍如ですね。
面白いけど、読み返すほどではないから、とりあえず売っちゃいます。

【本】文化系トークラジオ Life のやり方

Life のやり方」を読みました。TBSラジオの月末の日曜深夜、月に1回の3時間の生放送のこの番組を、僕は楽しみでよく聴いています。この番組は、僕より一回りほど上の世代の社会学者・ジャーナリスト・編集者・ライターなどが出演する番組です。この番組への出演をきっかけに、メディアでの仕事の幅を増やした人は少なくありません。

多くの人がこの番組には関わっていますが、ビギナー向けに2人だけ挙げると、津田大介さん(@tsuda)、古市憲寿さん(@poe1985)などが挙げられます。特に津田さんは『Twitter社会論』(2009)で注目を集める前からの出演者で、もちろんこの番組がなかったとしても注目を集めた奇才の人であると思いますが、津田さんの才能に早くから気づいていた番組ということは間違いなく、先を読む力が番組にはあったということでしょう。

Life パーソナリティ一覧
http://www.tbsradio.jp/life/personality.html

Lifeの首謀者であるTBSラジオのプロデューサー、長谷川裕さん(番組内での通称:黒幕)による何か新しいものが生まれる前のようなワクワク感を記した第1章、震災直後の異様な熱気に包まれた放送回の書き起こしを含む、ここ1,2年の名場面を活字で読む第2章、この番組のメインパーソナリティであり、関西学院大学の准教授である鈴木謙介さん(番組内での通称:チャーリー)の番組の種明かし的なインタビューの第3章、そして4章には出演者のリスト。

憎い演出が、“はじめに”を斎藤哲也さん、“あとがき”を速水健朗さんのお二人が務めているところだ。この2人とメインパーソナリティ、黒幕との関係性は本書を読んでいただくとして、この本はメインパーソナリティのチャーリーが持つ、二面性というか、多様性というか、網羅性とでも言うか、そういうものを内包した本であることは間違いないだろう。

この本のなかで僕がもっとも感銘を受けたのは、黒幕による第1章だ。この番組は、例えば「紅白歌合戦」のような誰もが知るポピュラーな番組にはならなかったが、ある地点では確実に世代交代を起こしたきっかけを作った番組だと思うし、そういう意味で世の中をちょっとだけ動かした番組であるのだろう。だけど、そういう大きな力は、それほど異能ではない一人によってはじまる。

「ブログを読んで気になったから」と言って後のメインパーソナリティとなる社会学者・チャーリーに会いに行ったり、mixiのコミュニティに書き込んだりしていたり、下北沢の居酒屋で打ち合わせをしたりして番組を作っていく話は、僕たちの日常そのものである。何か新しいことをはじめる場合、どこにでもある話をどこにでもあるように書いた第1章には、凡人の僕らが何か新しいことをはじめる際の参考になるし、僕らにでも何かできると思わせるものがある。

ちなみに、この番組にはこの本以外にかつて一度だけ本を出したことがあった。

文化系トークラジオLife(2007)

こちらもアツイトークが展開されているのでチェックしてみてください。

4月から、Lifeは隔月放送になる。どんな変化が訪れるのか、僕はこの耳でちゃんと聴いていたい。番組の発祥の地ともなった居酒屋「にしんば」があった下北沢は、駅が地下化した。春はいろんな別れと出会いがある。どうせなら、別れを惜しみながら、それ以上大きな出会いに期待したい。期待する方に賭けたい。